カルト宗教脱出レポ

どのように勧誘するのか?

ここでも大まかに3つのパターンに分類できます。

 

1 段階を踏む

 

またまた「ローボールテクニック」の登場です。最初に簡単な条件を受け入れさせ、徐々に高度で難しい課題を提示して段階的に受諾させていきます。イントロの

 

「ちょっとだけ時間をください」
「少しなら構いませんよ」

 

という会話で「ローボールテクニック」は始まっています。とっかかりができたら、スカウトマンは被勧誘者を専門スタッフのもとに送り込みます。あとは段階的に要求をステップアップしていくだけ。

 

また人間には「つじつまの合う自分でいたい」「首尾一貫した人間であると思われたい」という心理がある(一貫性の原理)ため、一度乗りかけた船にはできるだけ乗ろうとする意識が働きます。

 

「ここまで時間をかけて話を聞いてしまったのだから、試しにやってみよう」
「ここまで、この教えで歩んで来たのだから、○○に参加しよう」
「全身全霊をかけて信仰すると誓ったから、全財産を献金して献身生活に入ろう」

 

統一教会の霊感商法による被害の救済に携わっていた郷路征記弁護士によると、統一協会の勧誘プログラムは

 

(1)ビデオセンター(ビデオによる講義)
(2)ツーデイズ修練会(2泊3日の合宿)
(3)ライフトレーニング(15日または30日の講義)
(4)フォーデイズ修練会(4泊5日の合宿)
(5)新生トレーニング(27日間の共同生活→正式入会)
(6)実践トレーニング(献身の準備が整うまで)

 

という流れになっているとか。

 

これでいくと、(2)の直後に脱会した私は、まだまだ序の口のところにいたわけですね。私の記憶では(4)は“7DAYS”だったのですが、記憶違いかもしれません。

 

また、統一教会が勧誘の過程でその本性を露わにするのは(3)ライフトレーニングの後とされているようですが、私の経験ではストーリー中にもあったように、2DAYSの最終段階で教祖・文鮮明が登場するビデオを視たところと考えられます。桑野講師と藤岡氏には、私が統一原理を受け入れたとみなされていたのでしょうか。

 

2 心理的快感を与える

 

被勧誘者を良い気分にさせて、心のバリヤーを取り外させること。具体的な方法としては「褒めちぎる」と「知りたがる」です。

 

「知的なお顔をしていらっしゃいますね」
「タレントの○○さんに似ていますね」
「○○大学なんですか。それはすごい!」

 

“賛美のジャブ”を連発されると、人は心に隙ができると同時に相手に好意を持ち、なんらかの形で恩返ししなければならないという思いにとらわれます(返報性の原理)。本当に「すごい!」と思っているわけではなく、リップサービスに過ぎないので、無関心を装って「はいはい、そうですか」などと言いながら、さっさと逃げるしかありません。

 

しかし、褒めちぎられていい気分になってしまうと、次に待っているのは質問の嵐。

 

「引っ越してきたばかりで心細くないか」
「体の調子はどうか」
「孤独ではないか」
「不満や悩みごとはないか」

等々…。

 

人は、自分に関心をもってくれる相手に対しては、心理的なハードルが下がってしまいがちになります。「褒めちぎり」と違ってこの場合は、カルト側は本当に被勧誘者の個人情報を知りたいので、何の悩みもない“超”幸せ者を装っても、相手はこんなセリフを用意しています。

 

「でも、きっとこれから悪いことが起きますよ。いいことは長続きしません」

 

結局、相手はどんなネタでも勧誘に結びつけようとしているので、些細な個人情報といえども漏らしてはいけません。特に「家庭は裕福か」を知りたがるカルトは多く、裕福さの片鱗を見せてしまうと、恐るべき執念で食いついてきます。

 

3 心理的圧迫を加える

 

被勧誘者を持ち上げるだけ持ち上げて気分を昂揚させ、網の中に取り込んでしまった後は、心理的圧迫を加えて脱落を防ごうとします。

 

ほぼすべてのカルトに言えることですが、被勧誘者にカルト側の要求を受け入れさせるために「帰りたいのに帰れない」状況を作り上げ、被勧誘者が断るのに疲れて相手の要求(その中でも最も簡単に実行できそうなもの)を呑むのを粘り強く待つ、という方法が盛んに用いられます。

 

また、被勧誘者のせいで身近な人に深刻な不幸が訪れるかのように信じ込ませるという方法も。「真理研究会」との最終決戦の際におばんが使った手ですね。

 

「それに、この罪はあなたについて回るだけじゃありません。あなたの両親や兄弟や親戚縁者の末端にまで何らかの災厄をもたらしかねないのです。あなた、それでもいいんですか?」

 

その他、より手のこんだ方法としては、「始めるなら今しかない」とか「私たちとの出会いは奇跡です」などと、機会が限定されたものであることを訴え(希少性の強調)、断わることが大損害であるかのように思い込ませるというやり口があります。著名人との関係をチラつかせるのも、権威を利用した希少性の強調と言えるでしょう。

 

悪質になると、食事や睡眠を制限して心身を疲労させたり、閉鎖空間に閉じ込めて退屈から混乱するように仕向けたりして、批判的思考を停止させ、教義や思想を無批判に受容させることや、強烈な暗示や長時間ストレスによる脳の錯乱、大掛かりな手品、薬物によるトリップなどの状態で、超常的な体験をさせることで、絶対的な信仰を植え付ける、といったことが行われているのです。




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